2015年08月28日

旅先で出会った簾となる植物 vol.2

前回のブログで”蒲”についてお話しました。
今回は、その蒲の茎を使った外掛用の“蒲芯簾(がましんすだれ)”のご紹介です。

まず、スダレの材料と言えば琵琶湖に生息している“葭(よし)”を思い出されるのではないでしょうか。
比較の為に葭簾を少しご紹介します。

【 葭すだれ 】
写真では分かりにくいですが、葭の表面はツルツルしています。

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そして葭は中が空洞になっています。
この写真(↓)は葭簾をくるくる巻いた断面の写真です。

葭断面.jpg

空洞のため簾の重さが軽いのが特徴です。


【 蒲芯すだれ 】
蒲のクキを使って編んでいきます。

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写真右(↓)は水辺に生えている状態のもの、
写真左(↓)は刈り取って乾燥させたクキです。葉や花穂は取り除かれているので1本の棒状になっています。

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蒲芯簾の断面はこの写真のようになっていて、中に繊維が詰まっています。
中に繊維があるため、葭簾よりも少し重くなります。

蒲芯断面.jpg

先程の葭簾の断面がこちら(↓)。

葭断面.jpg

断面でも細さや風合いが違うのが分かります。

蒲芯簾のデメリットは“カビが生えやすい”ということです。
状況や環境によりますが例えば、台風の時期や梅雨の時期に蒲芯簾をずっと吊ったままにすると、水分を含みやすいのでカビが発生しやすくなります。カビが一度発生するととれないので、対策法としては梅雨や台風の時期はできるだけ簾を外してくださいとお伝えしています。

このように外掛簾でも材料が何種類かあり、それぞれ風合いも違いますしもちろんデメリットもあります。
それらを踏まえて、簾のある生活を楽しんでいただけたらと思います。
posted by birendo at 11:54| Comment(0) | 日記

2015年08月25日

旅先で出会った簾となる植物 vol.1

先日、城崎へ旅行に行った際に意外な植物に出会いました。

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それは、写真のように水辺に生息している
“蒲(がま)”と言う植物です。
別名は“御簾草(ミスクサ)”とも呼ぶそうです。

蒲 ブログ.pngP1230516.JPG

“蒲”という植物は、昔から深く人々にかかわってきました。
茶色い円柱形の部分は雌の花穂です。
日本の伝統色の「樺色・蒲色(かばいろ)」はこの花穂の色から名前がつけられています。
さて、どのように使われているのかというと、

【 葉 】:簾を編んでお茶室で使用する「蒲天井(がまてんじょう)」、
葉を織って「蒲団扇(がまうちわ)」として使用されます。

【 茎 】:簾を編んで「蒲芯簾(がましんすだれ)」という外掛簾に使います。

【 穂綿 】:写真はありませんが秋になると雌の花穂が崩れて綿が出来ます。
昔はその綿を使い蒲団(ふとん)を作っていたので「蒲」の漢字が使われています。

【花粉】:雄花からとれる花粉を漢方で「蒲黄(ほおう)」と言い、止血の効果があるそうです。
出雲神話の一つ「因幡の白兎」というお話があり、その中でも「蒲黄」が使われています。
お話は少し省略しますが、皮を剥がされたウサギが苦しんでいるのを見た大国主命(オオクニヌシノミコト)が「蒲の穂を身体につけるとすぐに良くなります。」と言い、ウサギがそのようにすると身体に白い毛が生えて傷が治ったというお話です。

また「蒲鉾」や「蒲焼き」も見た目が、蒲の花穂に似ているところから名前がつけられています。

このように、蒲は身近なところで使用されていることに気づきます。
しかし日本でこのように生息していても今では刈り手や使い手がなく、中国産のものが多くなっているのが現状です。実際に私達も水辺に生息している“蒲”を見る事は中々ないので、旅先で出会うことができ嬉しくなりました。

次回のブログでは、蒲の葉や茎で作る「蒲芯簾」と「蒲天井」を詳しくご紹介します。

I found a material for a sudare on a shore of a river during my trip in Kinosaki , Hyogo Pref. The marsh plant is a cattail, which is also known as “Misu-kusa(=御簾草).” The stalk is used for Sudare and its blade is used for a ceiling for a Chasitsu, a tea ceremoney room.
I was please to see the cattails in Kinosaki becase most of the cattails we use are imported from China. There are limited cattail farmers and less people would consume them in Japan so we depend on the imported ones.
posted by birendo at 11:17| Comment(0) | 日記