2015年09月14日

旅先で出会った簾となる植物 vol.3

前回、蒲の“茎(くき)”を用いた外掛け簾をご紹介しましたが、
今回は“葉”を使った簾の紹介です。

まずこちらが蒲の“葉”で編んだものです。↓
P1230642.JPG

“葉”なので断面は写真のように平たくなっています。↓
P1230658.JPG

比較の為に、“茎”を用いた外掛簾「蒲芯簾(がましんすだれ)」の断面がこの写真です。
茎なので、丸いのがよく分かります。↓
P1230650.JPG

「蒲芯簾」は外掛け用としての家の軒先に使用しますが
蒲の葉を編んだ簾はどこで使うのでしょうか。

それは、「お茶室の天井」です。
小間のお茶室の天井をご覧になられた事がある方はご存知かと思いますが、
お茶室の手前座の天井を見上げると、客座より一段低くなっています。
これを「落天井(おちてんじょう)」「下り天井(くだりてんじょう)」と言い、一段低くすることで下座を表し、客に対して亭主の謙譲な気持ちを表しています。
天井に質素をだす為に、蒲の葉で作られた簾を張ることが多いので「蒲天井(がまてんじょう)」とも呼ばれています。

材料となる蒲の葉です↓
P1230594.JPG

蒲の葉の簾は写真の手編みの台(↓)を使い編んでいきます。
P1230613.JPG

蒲の葉を一本ずつ台の上に置き、
編み糸のついた重りを交互にたおして編んでいきます。

ひとつの植物から用途の違う簾を作りだした先人のアイディア、さらに葉と茎が醸し出す雰囲気によって使う場所を変えるというセンスは本当に素晴らしいものです。
お茶室を見る機会があればぜひ見上げて天井に注目してみてください。

posted by birendo at 14:09| Comment(0) | 日記